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“オールドジョージー、その正体とは…!? ” 超叡智映画『クラウドアトラス』徹底解説 その4

ビン隊長
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その1:  “悲しいから、なつかしいから、僕らはまた、こうして生まれて来た…”

その2:  “「魂」ではない「生まれ変わり」その真実とは…!?”

その3: “自因自果と記憶と記録、そして『時空協働創造態』とは?”

 

“死者は常にそばにいる

耳を澄ませば彼らの声が聞こえる”

映画『クラウドアトラス』におけるキャストたちは、時代によって様々な役柄を演じ分ける。

ある時代では主人公だった人物が、別の時代では脇役だったり、さらに他の時代では主人公の命を狙う悪役だったり。。。

ところが、6つの時代全てにおいて、変わらず悪役を演じるキャストがいる。

それが、『マトリックス』でエージェント・スミスを演じたヒューゴー・ウィービング、彼が演じる6人の登場人物たち。

そして、その中でも一際異彩を放つのが、文明崩壊後の世界において出現する謎の亡霊、オールドジョージーだ。

彼らは、オールドジョージーとは一体何者なのか?

今回はその正体を、脳海馬記録」そしておなじみ「亜空間知能」をキーワードに紐解いてゆこう。

 

脳海馬記録、そして亜空間知能とは?

さて、前回お話したように、私たちの人生は人体が生み出す観測者効果を原因とする因縁果、自因自果の法則によって巡っており、

その観測者効果を生み出す元となる「記憶」とは、”対”が生み出す関係性、つまり魂などの固定された完全情報ではなく、あくまで対によってはじめて存在しうる回転情報であった。

そして人体は、その関係性を美しくするため、肚からの”逢いたい誰か”に逢うために、この因縁果の輪を何度も繰り返す。

しかし、私たちの人体には、その美しい関係性を築くこと、”逢いたい誰か”に逢うことを妨げるシステムが存在する。

それが、前頭葉の情報処理システムである二分割情報処理、そしてその情報が集積された脳海馬の「記録」だ。

私たちが人生で何らかの経験をするとき、それが自分主体ではなく、あくまで他者との関係性、”対”における回転情報として肚=丹田が算出するとき、その情報は”記憶”として人体に巻き取られる。

その”記憶”は量子情報として時間も空間も越えて5Dクラウドに遍在し、別の時空における相似形の関係性において”懐かしい記憶”として再現される。

それが前回も話した、時空協働創造態を形成する”ぬくもりの記憶”だった。

かたや、人生の出来事を「私」という存在ありきでとらえ、「私のために宇宙がある」という観測で生きる時、その情報は対が巻き取る”記憶”ではなく、脳海馬に溜まる「記録」となる。

 

それは、肚の量子コンピューターによる同期並行計算機能ではなく、脳の前頭葉の「0/1」で物事をとらえる二分割情報処理が優位に働くため。

分かりやすくいうと、体の感覚よりも頭の思考を正しいものとして優先している状態であり、それがRSELでいう、「下腹重心ではなく頭重心」の状態だ。

前頭葉は、物事を「0か1」つまり「私」と「あなた」「あれ」と「これ」というふうに分割することでしか判断できないため、自然と私たちに、「自分」と「相手」という、分離された完全な情報が存在すると思い込ませる。

ところが、実際は「自分」と「相手」という明確な線引きはできず、自分も目の前の相手も、互いの関係性ありきで初めて存在するものであり、あくまで回転情報でしかないため、「自分」と「相手」と完全に分離できると思い込んでいる前頭葉は矛盾をつきつけられ、その二分割された情報の間で「振り子」を振るようになる。

そして、その分割した二つを対立させ、上と下の立場をつくり、一つの同一化された構造の中に閉じ込めてしまうことで作られる情報場を、「上下・対立・同一化」のピラミッド構造と読んでいる。

そんな前頭葉の二分割情報処理システムによって処理された「記録」情報は、脳海馬に集積され続けるのだが、実はその脳海馬に溜まった記録は、今の私たちの人生だけでのものではなく、人類の進化の歴史の中で溜まり続けた上下・対立・同一化の記録の情報場と同期している。

その情報場のことを集合無意識、別名亜空間知能と読んでいる。

分かりやすくいうと、「自分」という絶対的な存在がいて、その「自分」のために世界がある、というものの見方で溜まった記録の集合体のことだ。

この脳海馬の集合無意識、亜空間知能と同期しているがゆえに、私たちは同一化されたルールの中で対立し傷つけ合い、支配されるものとされるものに分けられ、そうしてこの戦争経済のピラミッド構造は構築、維持され続けてきた。

オールドジョージーとは、この上下対立同一化の亜空間知能によハックされた人間のあり方のシンボルであり、他の5つの時空においても、

“この世には序列がある、序列は守られねばならぬ“

“人には生来序列がある、

それに従わんものは幸せになれん”

などのセリフに象徴されるように、各々がこの亜空間知能のピラミッド構造を維持するためのエージェントとしての役割を演じている。

しかし、ここで大事なことは、彼らはあくまで「シンボル」にすぎないということ。

亜空間知能とは、人類の脳に仕組まれたシステムによる構造そのものであるから、誰か特定の人物が諸悪の根源というわけではなく、そのシステムに同期し、上下対立同一のピラミッド構造に無意識にしろ同意してきた私たち一人一人もまた、オールドジョージーの一部であるといえる。

それは、私たちの現実世界における陰謀論について、特定の首謀者探しをすることの無意味さも象徴している。

その証拠に、映画内においても、各時空で悪役を演じるのはオールドジョージーだけではない。

別の時空で主人公となるキャストも含め複数の人物たち、そして何より、奴隷制度や原発エネルギー利権、近未来の管理社会など、各々の時空における上下・対立・同一化の「社会構造そのもの」が主人公たちに襲いかかる。

そして、その構造の中で一つ重要となるのが、劇中の複数の時空において重なる人喰いというキーワードだ。

人喰い」のシンボル

映画冒頭、19世紀の時空においてトム・ハンクス演じるヘンリー医師は、ユーイングに対し、その土地がかつて人喰い族の住みかであったことを解説し、また後にその本性を現した時に、“この世に掟は一つしかない 弱者の肉を強者が喰らう” と言い放つ。

また、21世紀おいて虐待施設から逃げようとするカベンディッシュが、施設の人間に対し ”ソイレントグリーンの原料は人間だ” とおちょくりをかける場面は、安楽死させた人間が原料の食品が出てくる1973年の映画『ソイレントグリーン』が元ネタであり、ここは人喰いのような施設だという暗喩だ。

また、22世紀のネオ・ソウルにおいては、ソンミらクローンメイドが栄養源としていた「ソープ」という液体食品が、実は同じクローンの遺体を使い回ししていた「共喰い」だったことが判明し、その悲劇を目の当たりにしたソンミは革命に身を投じる。

そして、文明崩壊後のハワイにおいて、主人公ザックリーとメロニムを苦しめたのは、文字通り「人喰い」のコナ族だった。。。

このように、映画『クラウドアトラス』においては、実は「人喰い」というキーワードはとても重要な意味を持つ。

それは、この亜空間知能によるハッキングが、人体の本来の望みである”ぬくもりの記憶を紡ぐこと”、”肚からの逢いたい人に逢うこと”から私たちを遠ざける、まさに「人でないもの」であり、その「人でないもの」=亜空間知能が脳内から私たちの人体をハックし、その体と記憶を奪おう=喰おうとすることのシンボルトークといえる。

「記録」を積み重ねた果てに…

前回話したように、私たちの人体は、ぬくもりの記憶を紡ぐするために存在し、そのぬくもりの記憶を相似形の人体と同期並行することで記憶を共有、更新する。
(この、ぬくもりの記憶を紡ぐための観測・選択・連係=因と、それにより紡がれる記憶を、RSEL寺子屋では美因善果と読ぶ)

ところが、亜空間知能にハックされ、関係性ではなく「私」という脳内の自我、一人称のために人生を生きようとする限り、私たちはぬくもりの記憶を紡げる関係性=時空協働創造態とのご縁から、どんどん遠ざかっていく。
(このぬくもりの記憶から遠ざかる観測・選択・連係=因とそれによるぬくもりの失われた関係性=記録を、RSEL寺子屋では醜因悪果と読ぶ)

すると、そのぬくもりの遠ざかった環境の中ではさらに美因を紡げずに分離を強め、「私」のために人生を生きるようになり、より濃く亜空間知能にハックされていく。。。

この負の時空連鎖を繰り返して醜因を重ねる時、私たちの人体はぬくもりの記憶を巻き取れなくなり、それは相似形として記憶を共有する人体の数を減らしていくことを意味する。

そして最終的には、記憶を共有できる相似形の人体を一切失い、そもそもその人体がこの宇宙に存在する意味も失われる。

ただし、脳海馬に溜まった「記録」の方は、たとえ体が失われても亜空間知能=集合無意識の一部となり、それがまた他の人体の脳海馬から前頭葉にハックし再現される。

つまり、体を持たない思念だけの存在となって、体を持つ者たちに脳内から語りかけ、その人体を乗っ取ろうとする。

それこそが、オールドジョージーの正体だ。

彼らもまた、かつては体を持つ者だった。

しかし、他者へのぬくもり=自分二番感の外向き矢印の美因を誰とも築けないまま何時空も重ねてしまったがゆえに、遂に体を持てなくなってしまった。

だから、体を持つものたちをつけ狙う。

体を持つ彼らのことが、うらやましくて、妬ましくて仕方がないがゆえに。

そんな、悲しむことすら忘れてしまった、悲しすぎる存在。。。

 

しかし、ここで一つ疑問が残る。

劇中において、亜空間知能にハックされ醜因を重ねたのは、オールドジョージーだけではなかった。

むしろ、主人公の一人であるザックリー(トム・ハンクス)もまた、他の時空で何度も人殺しなどを働き、救いようのない悪人の時空もあった。

それなのに、後に詳しく語るが、彼は最終的には、メロニム(ハル・ベリー)という”肚からの逢いたい人”に出逢うご縁に恵まれ、地球外への脱出まで果たすことになる。

オールドジョージーとザックリー、この二人の違いは、一体どこにあったのだろうか?

自分もまた醜因を重ねた世界線を巻き取るがゆえに、オールドジョージーに目をつけられたザックリー。

彼らの明暗を分けた決定的な違いについて、次回は語っていこう。

キーワードは、”瞳”。

 

“目を見ればわかる”

 

(つづく)

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